HASETSUNE マストアイテム Review

salomon x hasetsune

トレイルランレースは天気、気温、目標タイム、走力などによって参加者に求められる装備が違い、エイドがないHASETSUNEではとくにその準備不足が失速の原因やリタイア、命にかかわるトラブルにつながってしまう。自分に最適なギアを見つけておくことが何よりHASETSUNE攻略のカギ──。ということで、今年からハセツネのメインスポンサーになったサロモンに協力いただき、3つの目標別にオススメのギア&ウェアを提案してもらった。まだ勝負ウェア&ギアを選定中の方はぜひ参考にしていただきたい。

HASETSUNE finish time制限時間内完走目標(17〜24時間)

臨機応変に負荷を変えれる
XA 25 SET

最後は完走目標です。HASETSUNEは完歩する人もおられますし、初参戦で17〜20時間フィニッシュを目標にされている人も少なくありません。
そうした長時間行動が前提となると、さらに選ぶギアは変わってきますよね。

「はい。携行する食料や水が増え、歩きが多くなるので防寒対策も欠かせませんし、ずっと野外にさらされているので服を着替えるタイミングが出てくる可能性もあります。そうして道具が増えるということで、容量が大きなザックが必要になります。

ザック:XA 25 SET / シューズ:SENSE RIDE4 / Tシャツ:AGILE TRAINING TEE / ジャケット:BONATTI TRAIL WP JACKET / パンツ:AGILE 2 IN 1 SHORT / ロングパンツ:BONATTI WP PANT

選んだのはXA 25 SETです。容量があるザックになると、リュックタイプのように腰で背負えるタイプでないときつくなるのですが、腰で背負うとランニング時の脚上げをしにくくなってしまいます。XA 25 SETはベスト型のように背中で背負って走りつつ、ウエストベルトが備わっているので登りやゆっくり進む時、肩回り・背中に疲れを感じた時は負荷を腰にかけて背負えるという、良いとこ取りをしたモデルになっています。調整機構は背中側のコンプレッションを調整したら、あとはチェストベルトのみの操作。終電目標で紹介したSENSE PRO 5 SETと同じく、シンプルな構造になっています。

メインコンパートメントはロールトップ型で、荷物の量に合わせて調節が可能になっています。

また内部にシーム処理が施された防水仕様。さすがに大雨となると厳しいですが、小雨程度ならザックカバーなしでも中身は濡れません。長時間行動になると天候の急変などもあり得るので、耐候性という部分でもXA 25 SETの防水性は重宝するでしょう。

レインウェアは
生地の強さを重視

レインウェアはBONATTI WP JACKETを選んでいただきました。

「始発目標で紹介したBONATTI TRAIL WP JACKETと同じ、BONATTIシリーズです。サロモン独自の防水透湿素材『AdvancedSkin Dry』を使い、防水性が10000mm、透湿性が10000g/m²/24hと、数値的にはBONATTI TRAIL WP JACKETに劣るのですが、生地が強い点で選ばせていただきました。

ザックが重く、今回のように25Lと大きくなると、その上から羽織るのが難しくなり、基本的にはレインウェアの上に背負う形になります。その際、肩の素材が弱いと破れたりする原因になるので、生地の強さを重視したわけです。とはいえ、ストレッチ性が高く走行時の不快感もなく、軽量化についても徹底されているのでムダなものは排除されています。

ポケッタブル仕様でコンパクトに持ち運べ、BONATTI TRAIL WP JACKET同様に胸部にボタンが設けられており、フロントジッパーが大型のベンチレーションとなる構造です」

長時間行動時は
股擦れも気にしたい

この完走目標ではショートパンツ、AGILE 2 IN 1 SHORTもクローズアップしていただきました。

「新作となるショーツで、インナーが付いているタイプになります。長時間行動になると、どうしても生地が肌に張り付いて不快感があったり、股擦れの原因になってしまいます。AGILE 2 IN 1 SHORTのインナーは長めのトランクスタイプなので、股下までインナー生地が伸びており、股擦れしにくくなっています。前モデルではこのインナースパッツが長く、ショーツ1枚なのに2枚履いているように見えるという声も多くありましたが、そこもしっかり見えないよう長さが調整されています。インナー付きなら、単純に洗い物がひとつ減るのもメリットだと思います」