日本最強の山岳ランナー 上田 瑠偉 RUY UEDA

「ジャパンFKTジャーニー」のおかげで
日本を知ることができました

コロナ禍で、世界中で生活が一変してしまいましたが、
上田さんの計画も大きく修正することになってしまいましたね。

「2020年の5月からフランスを拠点にしようと計画していました。2019年にスカイランナーワールドシリーズで世界一になって、2020年は注目された状態で、ヨーロッパで走っていても、アウェイというよりホームの感覚で走れると楽しみにしていただけに残念でした。ビザを取りに行く予定の前日に受付が閉鎖されましたから(笑)。一気に張り合いがなくなってモチベーションもガクンと落ちましたね」

でも、すぐさま軌道修正して国内での活動を立ち上げたのですよね。

「はい。目標は違ったとしても、全国のランナーのみなさんも、この思いは共通だなと思ったので、何か力を与えられるようなことはできないかなと思い、「ジャパンFKT ジャーニー」という企画を立ち上げて、全国をめぐることにしたんです。各都道府県の代表的なトレイルコースでFKT(Fastest Known Time)を記録していくことで、地元のランナーの方に僕のスピードを身近に感じてもらって、励みにしてもらえたらいいなと思っています。もちろんジャーニーですので旅の要素、各地の文化や食もご紹介しています。現時点で10道県を訪問しました。これはライフワークとして全都道府県、さらには2周目も行きたいと思っています」

ご自身にも刺激となりましたか?

「ジャパン FKT ジャーニー」をスタートしたきっかけはパンデミックがあったからなのですが、実際にはじめてみると日本国内にもたくさんの素晴らしい山があり、地元のランナーの皆さんと出会いがあり、新しい発見や学びが沢山ありました。各地のトレイルランニングカルチャーに触れ、ガイドブックには載っていない地元のグルメも楽しみました。世界に出ていくことも大事だけれども、僕自身が日本のことをもっと知るということも大切だなと思えてきました」

僕の中でハセツネCUPは
全日本選手権なんです

ハセツネCUPという大会は、上田選手の中ではどんなイメージですか?

「クラシックな大会。僕の中では秋のハセツネCUPが全日本選手権というイメージですね。僕がトレイルランニングを始める前から、有力選手が一番集まる大会でしたから。そして、そこから海外に羽ばたく選手が出てくるというイメージですね」

ハセツネ30Kは、今回世界選手権の日本代表選考競技会になっていますが、
このコースの感想はいかがですか?

「今、僕がメインで取り組んでいるのはスカイランニングなので、そこと比較してしまうとイージーなコースです。ですが、今回の世界選手権からトレイルランニングとマウンテンランニングが合体した大会になリます。マウンテンランニングはテクニカルな部分がない分、かなりハイスピードなレースです。フラットなコースでの走力が求められるコースがあるからこそ、ハセツネ30Kは選考レースとしてふさわしい大会だと思います」

上田選手からしてみると、得意なコースというわけではないのですね。

「2014年にハセツネCUPで優勝した頃は、トラックのトレーニングも多くこなしていたので、フラットなコースの方が高いパフォーマンスを出せたのですが、ここ数年、スカイランニングに取り組んできて、身体もだいぶ変わってきたので、激しいアップダウンがあったほうが自分の実力を発揮できると思っています。今年のハセツネ30Kは厳しい戦いになるかも(笑)。2013〜14年のトレイルレースは年間4〜5本でしたが、今は20本くらい出場しているので、レースが練習になって平日はリカバリーに近い感じになってきます。陸上競技のようにコンスタントにスピード練習やポイント練習を消化するという組み立てではなくなっていますからね。その分、山でのテクニックや経験値は上がっていますけどね」

今、自分の力を一番発揮できるのはどんなレースだと思いますか?

「そうですね、30Km台の距離で累積標高差2500m以上が一番出し切れると思います。40kmを超えるとちょっとばててくるかな。トレイルランニングを始めた頃は100km級の大会にも出場していましたが、最近はチャレンジしていないので、距離に対する不安があったんです。それを克服するために昨年は志賀高原エクストリームトレイル(54km)に出場して優勝できたので、ミドルディスタンスでも戦える自信にはなりました。とはいえ、ミドルは主戦場ではないのでリザルトにはムラが出ると思います。ですから、今回の世界選手権は得意なショートディスタンスに的を絞っています」

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